子育てに真剣なお母様へ

 みなさん毎日の子育て、ほんとうにお疲れ様です。私も二人の子どもを持つ母親として、みなさんの毎日の大変さは身にしみて、よくわかります。

 以前、私も「こんな子育てでいいのだろうか」と自信を持てぬまま子育てをしていた時期がありました。出産前には妊婦の集い、一人目が生まれてからは母親の集いにも行きましたが、結局それは自分たちの親や夫の愚痴をこぼしたり、子育ての悩みを打ち明けて傷をなめあったりする程度のものでしかなく、問題の解決には至りませんでした。定期的に来てくれた保健婦さんの言うことも人それぞれであり、時期が立てば元の不安がまた訪れるということの繰り返しでした。

 そこで、私は方々を動き回り、保育士、小学校教師、学者など幼児・児童教育の専門家などに話を聞き、いろいろな勉強会にも参加をしてきました。子育てに関するいろいろな専門書も百冊以上読みました。子育てを真剣に学ぶために費やした費用はおそらく数十万円をくだらないと思います。それほどまでにお金をかけた理由は、やはり自分の子どもがかわいいからです。月並みな言葉ですが、「人としてちゃんと育ってほしい」という思いがそうさせたのかもしれません。

 昨今報道される、青少年の教育環境の悪化には心を痛めています。忍耐力の欠如、自己中心主義、学力低下、青少年犯罪の多発、教育現場の荒廃、ニートと呼ばれる若者の増加・・・。幼児期の「歪み」をひきずったまま小学校に上がり、その歪みは、六歳以降、善悪の観念の未成熟や学習意欲の低下にはねかえっていき、ますます悪い状態になります。近年の子どもを取り巻く環境の劣悪化、育児に戸惑う母親たちの増加などが、未成年者の凶悪犯罪が増えてきている原因ではないでしょうか。人格の核がつくられる幼児期に、まわりの環境が悪かったり、大人が子どもに対して間違った関わり方をすると、子どもが持って生まれた生命力を妨げることになります。

 少しでも子育てに悩むお母さんを救いたい、そして子どもたちには適切な時期に、適切な教育を提供してあげたいという思いから「子どもの成長と学びを見守る母の会(通称:母の会)」を設立することにしました。

 この会は、以前私が経験したような愚痴のこぼしあいや子育ての悩みを打ち明けて傷をなめあうといった会にはしたくはありません。その場限りの気休め程度の会になるくらいならもともと会を立ち上げようとは思いません。子育てについて真剣に考え、いろいろな悩みを抱えながらもその解決法がわからない、相談しても具体的な実践法がわからないというお母様のために、財団法人才能開発教育研究財団に所属する日本モンテッソーリ教育綜合研究所で学んだ子育て実践アドバイザー加藤千鶴が、5年半の研究から結果の出る子育て法をアドバイスし、お母様方に実践してもらうための会です。

 繰り返しますが、私がこの会を始めようとしたきっかけは、母親の集いや母親の会は数多くあれ、そのほとんどは単なるサークル的なもので、継続的にお母様が子育てについて勉強できる場がないという現状があるからです。サークル的な会では、悩みを打ち明けたり、愚痴をこぼしたりする程度のもので、その時は気分がすっきりしても、また同じ不安が訪れるということの繰り返しで、本当に解決しなければならない問題は解消されません。

 今までの子育ては、どちらかといえば精神論や経験則で語られることが多かったようです。ところが実は子育ては科学なのです。脳科学が発達した現在、もう精神論や経験則だけで子育てが語られる時代は終わりました。これからの時代に必要なのは、子育てを科学的にとらえる目です。そうした目をあなたが養えば、自然とお子さんに対する接し方も変わるでしょう。なぜなら、子どもの動きが手にとるようにわかるようになるからです。毎日の子育てに余裕が生まれ、自信を持って日々の生活を送れるようになるでしょう。「母の会」は今までの子育ての概念を打ち破り、お互いが成長していく会なのです。

                                       子供の成長と学びを見守る母の会
                                        モンテッソーリ教師 加藤 千鶴