2007年03月31日

モンテッソーリ教育で育った子どもたちのその後

 モンテッソーリ教育とは現在の日本における幼児教育の柱となっている科学的教育法で、お受験の盛んな地区ではだれもが知っている教育法です。しかし、正しい理解のもと、この教育法が実施されているのは、まだ一部の保育園や幼稚園にすぎません。当会ではこの優れた教育法をできるだけ多くの人に分かりやすくお伝えします。

 この教育法で育った子どもたちのその後について、次のような報告がされています。

 (梶山モンテッソーリスクールの卒業生のデータより)(お母さんの工夫 モンテッソーリ教育を手がかりとして 相良敦子・田中昌子著より引用)

人格面

①自分のことは自分で決める。マイペースである。自分をしっかり持っていて、ほかの人が勧めてもテコでも動かない。
②自分の意見を持っていて、他人の意見や考えに流されない。
善悪の判断がきちんとできる。親のほうが曖昧だとたしなめられる。
自分で決めたことは最後までやり遂げる。集中して乗り越える。
よく気がつく。たとえば、ママの手伝いを適切にする。下の子の世話をする。来客のときに気をきかせてお茶を出したりする。
忘れ物をしない。忘れ物をする友達の分まで持っていく。カバンがパンパンにふくれるくらい友達がよく忘れるものを詰め込んでいく。
⑦何にでも意欲的、積極的、前向き。
生活力がある。好きなことに挑戦し、工夫して取り組み、毎日を充実して楽しく生きている。
目標を立てて努力する。よい結果が出たのがうれしいのではなく、自分が目標に到達できたことがうれしい。
⑩先が読める。見通しを持つ。計画を立てて、行動する。

社会性

自分から友達をつくる。新しいクラスに入ったとき、自分からすべての子どもに話しかけて友達になる。あらゆる領域で友達をつくってくる。
②クラブや生徒会の代表になる。
司会者の役割を積極的に引き受ける。他人の意見をよく聞いて、調整する。全体を見渡して、人の意見を取りまとめることが得意。
友人間でのゴタゴタやいじめにくじけない。冷静に受け止め、自分で解決する。
⑤親が疲れていたり、病気をしたときに、よく働いてくれる。
⑥他の人のおかしな行為や態度に対して、ストレートに注意する。ストレートな言い方は、相手や周囲から煙たがられることにしだいに気づいていき、人の心を考えた表現に変えていく。
困っている人や弱者に対してやさしい。相手のペースに合わせて、上手に手伝う。年下の子の面倒を上手に見る。障害を持った子どものたすけ方が適切。できない子どもへの教え方が的を射ている。その子にわかるように教える。
やさしい。人を責めない。クラスの皆が責めても、ひとり責めないで、その子のことを肯定的に考える。
いじめにあっている子どもと友達になる。
⑩掃除、特にトイレ掃除など、人が嫌がることを進んで、しかも黙ってちゃんとする。
能力

料理が好き。まず材料を全部そろえて、きちんと並べる。順序立てて、手際よくつくる。片付けも最後まできちんとする。(時には、料理ができ上がったとき、片付けもほぼできていることもある)。
②片付け方が、分類して、きちんとしている(ただし、片付けに関しては、性格によるのか全くできない人もいる)。
手先が器用。折る、切る、貼る、縫う、などがよくできているので、自由自在に自分がイメージするものを作ることができる。必要なものを作るのに労を惜しまない。
④説明書を読んで、自分で考えて作り上げる。
習いごとでは理解と習得が早い。先生の指導を的確につかむ。思うように使える手ができているので、指示どおりに正確にやれる。お手本とペアリングして、自分で完璧にしよ
うとする。
解決能力がある。「どうしたらよいか」とものごとを解決する方法を考える。
⑦漢字や文字の「とめる」「はねる」など細かいところを注意深く見て、意識して書く。
文章を書くのが好き。親や先生や友達に、手紙を書いて、感謝したり、慰めた
り、励ましたり、自分の考えを伝えたりする。心からわき出てくること、思っていることを自由に表現することができる。
本が好き。読むのが速い。読書量がすごい。
⑩頭が整理されている。数学的センスがある。数学が得意。

周囲の者(親や教師)による評価

安心して見ていられる「この子はひとりで生きている(自立している)」と思う。
②小学校や中学校の先生方が、「こんな生徒がいると助かる」という。
③小学校1年生のときから、ちゃんと座って先生の話をよく聞いている。
小学校中学年から、頭角を現わしてくる。自立した態度、円満な人間関係、指導的立場などが目立ってくる。 

子育てに真剣なお母様へ

 みなさん毎日の子育て、ほんとうにお疲れ様です。私も二人の子どもを持つ母親として、みなさんの毎日の大変さは身にしみて、よくわかります。

 以前、私も「こんな子育てでいいのだろうか」と自信を持てぬまま子育てをしていた時期がありました。出産前には妊婦の集い、一人目が生まれてからは母親の集いにも行きましたが、結局それは自分たちの親や夫の愚痴をこぼしたり、子育ての悩みを打ち明けて傷をなめあったりする程度のものでしかなく、問題の解決には至りませんでした。定期的に来てくれた保健婦さんの言うことも人それぞれであり、時期が立てば元の不安がまた訪れるということの繰り返しでした。

 そこで、私は方々を動き回り、保育士、小学校教師、学者など幼児・児童教育の専門家などに話を聞き、いろいろな勉強会にも参加をしてきました。子育てに関するいろいろな専門書も百冊以上読みました。子育てを真剣に学ぶために費やした費用はおそらく数十万円をくだらないと思います。それほどまでにお金をかけた理由は、やはり自分の子どもがかわいいからです。月並みな言葉ですが、「人としてちゃんと育ってほしい」という思いがそうさせたのかもしれません。

 昨今報道される、青少年の教育環境の悪化には心を痛めています。忍耐力の欠如、自己中心主義、学力低下、青少年犯罪の多発、教育現場の荒廃、ニートと呼ばれる若者の増加・・・。幼児期の「歪み」をひきずったまま小学校に上がり、その歪みは、六歳以降、善悪の観念の未成熟や学習意欲の低下にはねかえっていき、ますます悪い状態になります。近年の子どもを取り巻く環境の劣悪化、育児に戸惑う母親たちの増加などが、未成年者の凶悪犯罪が増えてきている原因ではないでしょうか。人格の核がつくられる幼児期に、まわりの環境が悪かったり、大人が子どもに対して間違った関わり方をすると、子どもが持って生まれた生命力を妨げることになります。

 少しでも子育てに悩むお母さんを救いたい、そして子どもたちには適切な時期に、適切な教育を提供してあげたいという思いから「子どもの成長と学びを見守る母の会(通称:母の会)」を設立することにしました。

 この会は、以前私が経験したような愚痴のこぼしあいや子育ての悩みを打ち明けて傷をなめあうといった会にはしたくはありません。その場限りの気休め程度の会になるくらいならもともと会を立ち上げようとは思いません。子育てについて真剣に考え、いろいろな悩みを抱えながらもその解決法がわからない、相談しても具体的な実践法がわからないというお母様のために、財団法人才能開発教育研究財団に所属する日本モンテッソーリ教育綜合研究所で学んだ子育て実践アドバイザー加藤千鶴が、8年半の研究から結果の出る子育て法をアドバイスし、お母様方に実践してもらうための会です。

 繰り返しますが、私がこの会を始めようとしたきっかけは、母親の集いや母親の会は数多くあれ、そのほとんどは単なるサークル的なもので、継続的にお母様が子育てについて勉強できる場がないという現状があるからです。サークル的な会では、悩みを打ち明けたり、愚痴をこぼしたりする程度のもので、その時は気分がすっきりしても、また同じ不安が訪れるということの繰り返しで、本当に解決しなければならない問題は解消されません。

 今までの子育ては、どちらかといえば精神論や経験則で語られることが多かったようです。ところが実は子育ては科学なのです。脳科学が発達した現在、もう精神論や経験則だけで子育てが語られる時代は終わりました。これからの時代に必要なのは、子育てを科学的にとらえる目です。そうした目をあなたが養えば、自然とお子さんに対する接し方も変わるでしょう。なぜなら、子どもの動きが手にとるようにわかるようになるからです。毎日の子育てに余裕が生まれ、自信を持って日々の生活を送れるようになるでしょう。「母の会」は今までの子育ての概念を打ち破り、お互いが成長していく会なのです。

                                       子供の成長と学びを見守る母の会
                                        モンテッソーリ教師 加藤 千鶴